季節ごとの風景を模った壮大なサウンドで魅了した“21st Fortune”の4シーズンライヴ以来、実に3年ぶりのソロライヴ。しかも今回は、虹をモチーフとした7枚のアルバムを連続リリースするという(これまでに紫・藍・青・緑がリリース済み)、これまた壮大なプロジェクトが進行している中で行なわれた久々の全国ツアーだ。
 今回のライヴは今まで以上に…というか、今までにない新たな好奇心が形となったように感じた。まずサポートメンバーの編成。以前、生のギター&ドラムにベースが加わった時点でもかなりの驚きだったのだが、その後のaccessのツアーでは生のパーカッションもプラス、リズム隊がどんどん分厚くなっていった。それが今回はドラムをなくし、ギター、ベース、パーカッションという、アコースティックライヴのような編成になっていた。オープニングで今チームのシルエットを見たときの、“何をやってくれるんだろう?”という高揚感は忘れられない。
 また、ギター&ベースのバリエーションの多さも目を引いた。ギターは6弦エレキだけでなく、SGやオベーションのダブルネックを使用し、サウンドに膨らみを持たせる。そしてベースは、飛び道具的な音色だけでなく、7曲目「青い花」でのアップライトを使用した太く丸みのある低音も印象的だった。こんな具合にパーツだけ取り上げても、彼の強い好奇心と冒険心がそこら中に覗いている。
 そして内容も然り。序盤はロックテイストの強い「Ride on Free」から始まり、清々しくも切なさのある世界をオーディエンスとのユニゾンで彩 った「BLUE SKY BLE」、続いてエレクトロニックで遊び心満載の「Angel Algorithm」という流れ。この3曲だけでもかなりカラーが違う。しかもすべてヴォーカルナンバーというから、これまでの彼を知る人にとっては特に、この展開は新鮮だったのではないだろうか。とはいえ、もちろん定番も健在。リアルタイムでオケを完成させるコーナーでは、いつもながら歓声が沸き、オーディエンスも笑顔になる。アンプラグドのコーナーではちょっとしたジョークや茶目っ気を交え、近しい距離感を作り出していた。そして、“心を自由にして聴いてください”という一言とともに始まった「Indigo cave」では、すべてを包み込むような壮大なスケール感に加え、美しくも芯の太さを感じさせた。
 5分ほどの小休止を挟み(とはいえSEのようにオケは鳴っているのだが)前・後半がガラッと変わるのも、新しい展開を予期させ、後半への期待感をアオる。オーディエンスからも、声こそ発しないが戦闘モードに入る気配が沸き上がっている。
 そして、ここからはほぼノンストップで矢継ぎ早の展開。「mercy snow」ではノイジーなギターと、漂うようなシーケンスの対比が印象的。猛々しくもドラマチックな「TECHNO BEETHOVEN」は、これまで以上の大胆さと繊細さに自然と引き込まれる。そして怒濤のサウンドの極め付けは「Mona Lisa Overdrive」と「Paranoia Method」。聴覚だけでなく視覚にまで刺激を与えるトランシーなサウンドは、まさに麻薬そのものだった。
 さらに終盤でまた一転。「‘Deep blue’Resolution」は大きな風船の登場で、客席までがパッと華やかに沸き上がる。そして懐かしい「Genetic Bomb」を効果的に使って引き締め、最後は彼の心そのもののような温かさを持った「Re-communicate」で幕を閉じた。
 アンコール中のMCで、彼は“今年は戦闘モード。それは守りたいものがあるから”というような言葉を発した。自身の感性はもちろん、聴く者の感性も守りたいのだという。これまで、たくさんのアーティストに触れてきたが、こんな気持ちで音楽を作っている人はほかに出会ったことがない。彼の見ている理想の世界はとても遠いものかもしれない。が、自信と自負があるからこそ、彼の目にはそれがハッキリと映っている。だからこんなにもさまざまな絵が描けるのだ。心が晴れるような明るさを持った「Beautiful Symphony」の世界は、この日だけ、その彼の強い意志を象徴しているように思えた。



SET LIST
01/Ride on Free
02/BLUE SKY BLUE
03/Angel Algorithm
04/Quantum Mechanics Rainbow
05/Meme crack -ハルカ カナタのMajorへ
06/Jade of sorrow
〜Pf Solo〜
07/青い花
08/Indigo cave
09/mercy snow
10/TECHNO BEETHOVEN
11/Mona Lisa overdrive
12/Paranoia Method
13/'Deep blue' Resolution
14/Genetic Bomb
15/Re-communicate
encore
01/Stigma
02/Beautifule Symphony






●information●
ライヴ
DAISUKE ASAKURA LIVE“Quantum Mechanics Rainbow”
3/25(金)26(土)東京国際フォーラム・ホールC Daisuke Asakura X'mas Dinner Show 2004 
12/25(土)ヒルトン東京ベイ 2F クリスタルボウルルーム
問:ディナーショー事務局/ライブステーション TEL.03-5743-6660(平日 11:00〜18:00)

リリース
Quantum Mechanics Rainbow V 『Yellow Vector-黄の多次限指向性-』
11月30日リリース
ダーウィン/DWDA006/¥2,800

オンエア
『浅倉大介 Live Tour '04 Cultivate Meme 〜about Quantum Mechanics Rainbow〜』
BS-FUJI 12/11(土)19:00〜20:55
※10/11にZepp Tokyoで行なわれたライヴの模様を中心に、インタビュー、オフショットを交えてハイビジョンOA。

オフィシャルサイト
http://www.danet.ne.jp/